yukungのブログ

yukungの技術ブログ兼駄文置き場 

退職しました

本日2011年4月30日を持って、株式会社インテックを退職しました。
振り返ると、2005年4月1日に新卒で入社して、それから今日で6年間と1ヶ月です。6年間、SIerに所属しながら、主に金融領域の顧客をターゲットとして、顧客先に常駐して開発・保守作業を行うといった、所謂エンタープライズSI業界のど真ん中で過ごしてきました。最初の2年弱は、汎用機開発のプロジェクトで所謂COBOLerとして、その後転身を図り、JavaによるWeb開発を5年弱、経験しました。
キャリアとしても、SI業界の不文律、「PG→SE→PM」という出世魚キャリアを邁進中でした。5年目以降からは、リーダー業務やシステム提案などコンサルめいたこと、エンジニアながらパートナー会社の方との採用面談や外注管理などの営業サポートなど、多岐に渡る業務に携わって経験を積むことができました。こういった色々な経験のチャンスを貰えたことで、自分の成長を促してくれたことや、私がリーダーの間、大きなトラブルなくチームを運営できたことは、紛れもなく今の会社、周りのメンバーに恵まれたからだと思っています。本当に感謝しています。
一方で、会社の役に立とうとすればするほど、自分で手を動かす機会が、自分が望む望まないに関わらず遠ざかってしまうその状態に、ジレンマを感じる日々がだんだん多くなっていきました。現在のSIという業態のビジネスモデルから、会社に貢献するにはどうしてもそうせざるを得ない部分ではあるのですが、それに乗ることで逆に自分のスキルがどんどん陳腐化していく不安、技術がわからないマネージメント職になってしまうのではないかという焦りが自分の中で大きくなっていきました。
そういったえも言われぬ感情が、私を外の世界へ誘っていった気がします。初めて外の世界を垣間みたのは、

WEB+DB PRESS Vol.41

WEB+DB PRESS Vol.41

に添付されていた、一枚のハガキがきっかけでした。興味本位で投函したそのハガキが、たまたま当選。導かれるように以下のイベントに参加したのでした。
WEB+DB PRESS Tech Meeting|gihyo.jp … 技術評論社
このイベントに参加したときの気持ちは、今でも鮮明に覚えています。よく、目の前が開ける感じなどと言ったりしますが、正に目の前が開けた、というのを直接肌で感じたのを覚えています。こんな世界があるんだ、自分にはこれしかないと。発表者の方々が、目をキラキラさせながら自分の好きなことについて堂々と発表して、聞く方も目をキラキラさせながら聞いている。普段業務で聞かないようなITの単語が、平然と発表者の口から発せられて、聞く方もウンウン頷いている。SIでは全く見かけないような単語でコミュニケーションが成り立っているその光景に、羨ましさ、共感、そんなような気持ちが溢れてきました。発表者だけでなく、オーディエンスにもそうそうたる顔ぶれが居たのを知ったのは、参加してしばらくたってからでした。今振り返って実はスゴい場所に居たのだなと。
この時から、おぼろげながら自分が目指すべき方向、そしてそれに向かってやらなければならないことが見えてきた気がして、今振り返るとターニングポイントだったんだろうと思います。
その後も、エンジニアの未来サミットに参加してみたり、デブサミに毎年参加したり、その他IT系コミュニティや勉強会に参加して、積極的に外部のコミュニティに足を運ぶようにしていました。そうすると、益々自分の進みたい方向と会社から求められる方向とのギャップが大きくなってきて、それと同時に“自分の進みたい方向”の形の輪郭がはっきりしていくのも感じました。
元々私がこの業界に進もうと思ったのは、自分の持っている技術で、誰かを幸せにしたい、そこまでできなくとも何らかの影響を与えてその人が少しでも良い気持ちになってくれればいいな、そういった思いがあったからでした。スポーツだったり、音楽だったり。誰かを幸せにできるそういった特別な才能を持たない自分が、唯一、自らの作った物で誰かが便利になったり、影響を与えられる、そういったことを可能としてくれる手段が、コードを書くことでした。
コードを書くこと自体が楽しいのもありますし、自分で勉強すればするほどできることは広がって、でも底は全然見えなくて、理解するほどにさらに深くなっていく、そんな所が面白いです。やった分だけ本業にも経験として活かすことができます。このドライブ感はこの業界で働く中で、一つの醍醐味だと私は思います。そして、このドライブ感こそが、自分をエンジニアとして成長させてくれる一つの要素だと思います。このドライブ感を、さらに加速させて、更なる高みへ上っていきたい。自分の技術の幅をもっと広げるために、これまで出来なかったこと、取り組めなかったことに挑戦したい。そんな思いから、今回の判断に至りました。
今回の判断に至るまでは、正直色々考えました。会社からの期待もひしひしと感じていましたし、現場で私が所属していたチームの居心地もよく、割と自由にやらせてもらえたと思います。私が言い出しっぺで始めた月例のチーム内勉強会も、定着してもうすぐ10回に届こうか、という感じで、これは今後も継続していってほしいと願っています。
私が所属していたチームは若手も多く、まだまだ荒削りで知識もスキルも足りませんが、私が主体で進めなければならなかった頃から比べれば、今では私が介入しなくてもプロジェクトの運営が行われるようになり、そういった所を外から見て実感できるのは、嬉しく思います。そしてこれからも成長していってくれるのではと期待しています。そんな思いもあり、一抹の寂しさはあるもののタイミングとしては今なのだとも思いました。
一方で、自分たちを中心に周りの組織を変えていこう、そういった気運が出てきた今の段階で、それに向かって進む道しるべを示すことができずに組織を抜けてしまうことが、心残りです。でも、今のみんなならそれに向かって進むこともできると信じています。
6年間、これまでお世話になった方々、支えてくれた先輩後輩には本当に感謝しています。この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
今後は、エンジニアとして更なる高みへ上るために、新しい挑戦を明日から始めます。その取り組みについては、このBlogやTwitterでも発信していきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。